赤松健先生へ直撃質問! 「従来のOVAとOADはどこが違うんですか?」

ネギま!のOADの売上げでアニメ業界の今後が変わる (猫とネギま!と声優さん)

このOADという方式(TV局や広告代理店を介さずに、読者がスポンサーとなって直接購入する)自体が、新しいアニメの一形態として成立するかどうかも、時期&規模的に言ってこの一本で決まると言えるのではないでしょうか。

完全受注生産によるアニメ商品ならば従来のOVA方式でも可能ですが、『魔法先生ネギま!』の新作アニメは原作コミックスの限定版に付くOAD(オリジナル・アニメーション・DVD)方式をとっています。
赤松先生は日記で「この方式は、通常市販されているアニメのDVDよりもかなり値段が安く、しかも枚数を(数倍)出しやすいという特徴があります」と説明していましたが、従来のOVAとOADはどこが違うのか、またこの方式だとOVAより安価になる(例えばOADの方がOVAより売れやすいというデータがある?)のか、OADについて魔法先生ネギま!〜白き翼 ALA ALBA〜』をプロデュースする原作者の赤松先生に直接メールで質問してみました!
以下はその返事です。(回答内容の公開について許可いただいてます)

こんにちは、漫画家の赤松です。

OADが、OVAやTVシリーズDVDより売れやすいというのは、過去のデータに拠ります。
(具体的には、先行して販売した「ツバサ」です。)

売れやすい理由は、次の2点からと考えています。

(1)値段安いから。(収録時間あたりの値段ではなく、パッケージ1つの単価が安い)
(2)原作の読者とアニメのファンの両方が買うから。


まず1ですが、なぜ安くできるかというと、OADの場合、利益は主に講談社(と書店関連)が持って行き、中間搾取がとても少ないのです。TV局も広告代理店も存在しませんし、原作者にもDVD抜きの「単行本1冊分」しか印税が支払われません。(^^;)
(これが他の出版社参入を予想する理由でもあります)

また、完全予約生産制というのも大きいと思います。
普通、DVDはどれくらい売れるか分からないので、安全のため多少マージンを多目にとるはずです。OADは、ギリギリぴったりで生産するので、在庫管理が必要ない分安くできます。

次に2ですが、OVAは買わないという読者も、DVD付き限定版なら買うという場合が結構あるようです。
また、TVアニメはどうしても放映していない地方があり、その点OADなら全国どこでも正規版を入手できます。